まほろばデイズ / ちしゃの実

「新婚さん～」を読んで、こちらも買ってみました！

ちょうど竹書房さんがセールをしていたというのもある…ｗ

ちしゃの実さんのラブコメ感が好きなので。

これは表紙の雰囲気が随分他の作品と違ったので気になったんです。

気になるじゃん。鹿って。

🍘 まほろばデイズ 🍘 ちしゃの実 🍘 Qpaコレクション 🍘 2015/12/17 🍘 1巻（完結） 🍘 眉目秀麗な跡取り白鹿　× 　　　ちょっと卑屈で自己肯定感低めな拾われっ子　　　　 🍘 描写：すくなめ　/　ふつう 🍘 あらすじのテンションを鵜呑みにしてはいけない。

🍘 あらすじ

奈良最高位・久鹿家の跡取り鹿の白羽と、拾われ子で人間の草介は幼馴染で腐れ縁。

皆に慕われ愛されている白羽は、使用人の子でしかない草介に、いつも全身で好きだと伝えてくる。

高貴で秀麗な白羽に尽くされて優越感を覚えつつも、白羽の想いには気づかないフリで一線は越えない間柄だった。

……はずなのに！

発情期の白羽が我慢の限界を超えて草介に襲いかかってしまった！！

それ以来、ギリギリ友人としての均衡を保っていた2人の関係が崩れ、草介は貞操の危機！？

鹿が治める街、奈良まほろばを舞台に繰り広げられる幼馴染同士の和ファンタジーラブ！

🍘 感想

あらすじのテンションがものすごいブラフなんですよ（二度目）

間違ってはいないんだけど！そうなんだけど！

あやうく涙するところでした。

鹿の獣人（獣人とは表現されていないけど）と人間が共存する世界のお話です。

あの奈良の鹿さんがモチーフなのでしょうか。

このあたりのことは深く考えなくてもよきですが…。

最初は身分違いの恋的なものかと思ったのですが、

出てくる出てくる次から次へと新しいエピソードが…。

ただのラブコメじゃなかった？と途中から不思議に思いました。

白羽が草介を気にするキッカケが想像もしなかったなぁ。

きっと生まれてからずっとチヤホヤされてきた白羽にとって、そうじゃない草介は異質で、

こどもの頃は嫌いに近かったはずなのに。愛憎は表裏一体なのかしら。

「ただのこども」扱いしてくれた草介は唯一だったんだろうなぁ…。

草介はずっと何も知らないで生きていたわけだけど、

箝口令が敷かれていたとはいえ、周りの人たちは草介を思ってみんな口を噤んでいたんだよね。

自己肯定感が低めで、愛されてるのは白羽だけって思ってる草介だけど、

実際のところ、草介だってみんなに当たり前に愛されてるっていうところが個人的には好きです。

ファンタジーな設定はそこまで複雑なわけでもなく、

かといって、取って付けた感もなく。

すごいファンタジーとラブコメとシリアスの3つの要素のバランスがいいなと思いました。

エピソードとしては重い部分があるけど、暗くなり過ぎないし、ファンタジーが浮くわけでないし。

読後すっきりするのは、多分そのせい。

すっごい、良い作品でした！面白かった！！

これは好きだし、オススメです。2015年の作品だけど全然古臭く感じないし。

そしてシンプルに、このボリューム(約200p)でお話をまとめ切っているのが純粋にすごい。

説明と省き方の取捨選択が上手なんだろうなぁ…。

あと出典で、描き下ろし多くてびっくりしました。

連載って大変なんだろうなっていうのを、感じちゃうところでもあり

そこまでして素敵な作品を作ろうとしてくださってありがとうございます、という気持ちにもなる。

🍘 作品情報